2020年06月03日

「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」


内閣官房

新型コロナウイルス感染症対策本部

令和2年5月25日更新


新型コロナウイルス感染症対策専門家会議

「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」

(令和 2 年 5 月 29 日)


1.はじめに

○ 本年 4 月 7 日に、新型コロナウイルス感染症について感染経路が特定できな
い症例が多数に上り、かつ急速な増加が確認されていること、医療提供体制も
逼迫してきていたことなどから、新型コロナウイルス感染症対策本部決定によ
り、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県の 7 都府県
に対し、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「法」という。)第 32 条
第 1 項に基づく緊急事態宣言が行われた。

〇 4 月 16 日には、上記 7 都府県と同程度にまん延が進んでいると考えられる北
海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県及び京都府の 6 道府県との合計 13 都道
府県が新たに「特定警戒都道府県」として指定され、それ以外の 34 県について
も、都市部からの人の移動等によりクラスター感染(集団感染)が各地で発生
し、感染の拡大傾向が見られたことなどから、人の移動を最小化する観点等よ
り、全都道府県について緊急事態措置を実施すべき区域の対象とされた。

〇 その後、外出自粛の要請等の接触機会の低減等により、新規感染者数は着実
な減少傾向に転じたことから、
@感染の状況(疫学的状況):オーバーシュートの兆候が見られず、クラスター
対策が十分に実施可能な水準の新規報告数であるか否か
A医療提供体制:感染者、特に重症者が増えた場合でも十分に対応できる医療提
供体制が整えられているか否か
B監視体制:感染が拡大する傾向を早期に発見し、直ちに対応するための体制が
整えられているか否か
の「区域判断にあたっての考え方」を満たした地域より、順次緊急事態措置を実
施すべき区域としないこととし、地域ごとの状況を見つつ、5 月 14 日には 39 県
を、21 日には京都府、大阪府、兵庫県の指定の解除を行った。さらに、5 月 25
日には、残る北海道、千葉、埼玉、東京、神奈川の 1 都 1 道 3 県についても緊急
事態措置を実施する必要がなくなったと認められ、同日、法第 32 条第 5 項に基
づき、緊急事態解除宣言が行われた。

〇 本専門家会議としては、これまでの多くの市民の皆様のご協力により、全国
における新規感染者数のオーバーシュートを免れ、緊急事態宣言の解除に至っ
たことについて、心より感謝申し上げたい。

○ 全国の感染状況は、ピーク時に比べ大幅に改善されているものの、全国にお
ける感染は引き続き報告されている。本専門家会議において繰り返し提言して
きたとおり、この感染症は、「再度の感染拡大(「次なる波」)」が予想され、長丁
場の対応が必要になると見込まれている。

〇 したがって、5 月 4 日及び 14 日の提言において指摘したように、市民一人ひ
とりの「新しい生活様式1」の徹底等による行動変容への協力と、各都道府県知
事による、法第 24 条第 9 項に基づく協力の要請(施設の使用やイベントの開催
自粛の要請や感染対策への協力依頼等)などを通じて、「次なる波」をできる限
り小さくするとともに、後ろ倒しにすること等により、再度の「緊急事態宣言」
を講じずとも済むようにしていくことが求められる。

〇 本専門家会議としては、感染状況が比較的落ち着いている今こそ、「次なる波」
を見据え、サーベイランス体制の強化、検査体制の強化、クラスター対策、医療
提供体制の整備、治療法・治療薬の開発等に取り組むべきと考える。そのために
は、これまでの取組や緊急事態宣言に関する現時点における評価を行った上で、
これまで実施された個別の対策についても課題の抽出を行うとともに、今後必
要となる対策の方向性について検討を行い、政府に対して提言を行うこととし
た。


2.感染状況等の評価について
(1)感染状況(疫学的状況)
(2)医療提供体制

3.新規感染者数・死亡者数のこれまでの推移等に関する現段階の評価について
(1)新規感染者数・死亡者数の推移について
(2)緊急事態宣言の効果について
(3)見えてきた課題

4.今後の政策のあり方〜次なる波に備えた安全・安心のためのビジョン〜
(1)次なる波に備えた「検査体制」の更なる強化について
(2)次なる波に備えた「医療提供体制」の更なる強化について
・平時の医療提供体制との切替えについて
(3)次なる波に備えた「保健所機能」・「サーベイランス」・「感染予防対策」の
更なる強化について
(4)治療法・治療薬の確立、ワクチン等の開発の促進について
(5)感染時の重症化リスクの高い集団等に対する感染予防対策について
@院内感染対策について
A高齢者・障害者施設等における施設内感染対策について
Bクラスター感染が生じた場における感染予防対策について
(6)水際対策の見直しの方向性について

5.緊急事態宣言解除後における市民生活・事業活動の段階的な移行について
(1)市民生活における留意事項
・「3密」の回避、基本的感染症対策、「新しい生活様式」の実践 等
(2)事業活動における留意事項
・業種ごとの感染拡大予防ガイドラインの遵守 等

6.都道府県等の対応について
・次なる波に備えた体制整備のためのチェックリスト

7.おわりに
補論 我が国のクラスター対策について
(別添1)感染の状況、医療提供体制、検査体制の構築
(別添2)都道府県等における取組について(事務局提示資料)



新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(第 15 回)

日時:令和2年 5 月 29 日(金)
1 3 時 3 0 分 〜 1 5 時 0 0 分
場所:合同庁舎 5 号館 12 階専用第 15 会議室

議 事 次 第
1.議 事
(1)新型コロナウイルス感染症について
(2)その他

(配布資料)
資料1 新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(骨子案)
資料2 退院基準及び濃厚接触者に対する検査等の見直し案について

資料1
新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(骨子案)

感染状況が落ち着いている今、次なる波を見据えて今後必要な対策等を提言
1.感染状況等の評価
・ 世界では、新規感染者が1日 10 万人以上となるなど、感染拡大が継続。
2.感染者数等の動向についての現段階の評価
・ 新規感染者数・死亡者数が一定程度抑えられた理由に、市民の衛生意識の高
さや行動変容の要請への協力の度合いの高さ、国民皆保険制度、保健所機能
などによる影響のほか、以下の3点が考えられる。
@ 感染拡大の検出が早期になされたこと
・ 諸外国に比べ、初期段階でより多くの感染者・クラスターを検知
A 効果的なクラスター対策がなされたこと
・「感染者」を起点としてその接触者(将来の発症者)を探すだけでなく、
複数の「感染者」から共通の感染源となった「場」を「さかのぼり」に
より特定。その場にいた人を洗い出す。
B 緊急事態宣言が次のような効果を上げたこと
・企業活動を含め、人々の接触機会が継続して抑制
・ 特措法による外出自粛要請や施設使用制限等による感染抑制
・ 地方都市への感染拡大防止
3.今後の政策の在り方 〜次なる波に備えた安全・安心のためのビジョン〜
・この間の経験を通じて明らかになった課題に対し、目指すべき政策の方向性
@ 「検査体制」の更なる強化
A 「医療提供体制」の更なる強化
B 「保健所機能」「サーベイランス」「感染予防対策」の強化
・ 院内・施設内等での感染予防対策等を含む。
C 治療法・治療薬の確立、ワクチン等の開発の促進
4.宣言解除後における市民生活・事業活動の段階的な移行
・ 「3つの密」の回避、基本的感染症対策、「新しい生活様式」の実践
・ 業種ごとの感染拡大予防ガイドラインの遵守
5.都道府県等の対応
・ 知事のリーダーシップの下、次なる波に備えていく必要。
・ 次なる波に備えた体制整備のためのチェックリスト
・ 都道府県等の好事例




posted by 依田宣夫 at 21:58| Comment(0) | トピックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする