2008年08月26日

第四十六回 消費生活(その3)・・見えない支出の怖さ

・目に見えないお金の支出
家族全員が、それぞれがクレジットカードを持って、スーパーやデパートなどで、いろいろな買い物をする時代です。そして、買い物をした翌月または翌々月に、預金口座から代金が引き落とされます。また、時々買い物をしすぎて、代金の引き落としのとき、預金残高が足りなくなって、大騒ぎをすることもあります。
クレジットカードを使って買い物をした場合、買ったときに消費が発生し、引き落としされるときに支出が発生します。そこで、家庭の管理を収入と支出だけでしか見ていないと、大きな失敗を犯す危険が生じることになります。
すなわち、クレジットカードを使って買い物をした場合、お金の支出はそのときには発生していません。しかし、借金(負債)が発生しているのです。借金(負債)とは、将来お金を支払うべき義務をいうのですから、翌月または翌々月に必ずお金を支出する日がやってきます。
たとえば、家族4人がそれぞれクレジットカードを持って、7月に合計7万5千円の買い物をしたとします。そして、8月25日に普通預金口座からこの金額が引き落とされたとします。これを、家庭決算書で見てみると次のようになります。
          (左側)    (右側)
     7月     消 費  /  カード未払金  75000円
     8月25日 カード未払金 / 普通預金    75000円

7月に、消費は、消費損益計算書に75000円が計上され、カード未払金は、財産対照表に負債として75000円が計上されます。
 8月に、普通預金口座からこの金額が引き落とされると、財産対照表の資産の普通預金が75000円減少し、負債のカード未払金も75000円減少します。8月には消費損益計算書への影響はありません。
このように、クレジットカードを使って買い物をした場合、消費をしているのに、実際には、お金の支出はありません。お金の支出が無いので、消費によって負債が発生していることが見えなくて、たくさんのものを買ってしまうという失敗をして、後で困ることになるのです。そこで、家庭決算書を作ることによって、このような失敗を防いで、健全な家庭経営をするようにしてもらいたいと思います。

・支払利息の大きさに気づく
 借入金の元金は、返済した金額だけしか減らないのは当たり前ですが、支払利息は、金利や借入期間などの条件によって変わります。返済途中でも、繰上げ返済や借り換えが可能ならば、支払利息の金額は変えられるのです。
したがって、借入金は、元金と利息を分けて管理することが必要なのです。
例えば、カードローンを利用して100万円借りたとします。このとき、利息は年利25%
元金返済は毎月5万円とすると、支払利息は年間25万円(100×0.25=25)、元金の返済は年間60万円(5×12=60)で、元利合計で年間85万円の支出になります。
また、このとき、年間の収入が250万円、食費などの消費支出の合計が150万円の場合、収入と支出だけでみると、15万円(250−150−85=15)の貯蓄が出来たことになります。ただし、借入金の支出は元金と利息を合計しているため、元金の残高がいくらなのか、チェックが必要となります。

一方、元金と利息を分けて、元金は財産対照表、利息は消費損益計算書に計上してみると、
          (左側)     (右側)
         現 金  / カード借入金100万円 
         現 金  /  年間収入  250万円
       年間消費支出 /  現 金  150万円
     カード借入金(元金)/ 現 金   60万円
       支払利息   /  現 金   25万円
となり、
財産対照表では、負債のカードローンの残高が60万円減少して40万円になり、正味財産の当期消費損益が75万円増加して資産の預貯金が15万円増加したことが分かります。そして、消費損益計算書では、75万円(250−150−25=75)の当期消費損益が計上されています。
また、同時に、支払利息が年間25万円ということは、年間収入250万円の10%にもなっていることが分かります。
そして、カードローンで最悪なのは、借金返済のために借金をすることです。ローン返済を滞らせないために、借金をする、生活費が足りなくなって借金をする、ついにはその借金を返済するために借金をする。そして、多重債務者となり自己破産を選択せざるを得なくなっている人の数は、2002年で214000人を超えているのです。
お金を安易に借りると言うことは、特に注意が必要です。そのためにも、できるだけ早く自分たちの家庭決算書を作り、自分達に合った家庭経営を始めることをお勧めします。

また、実際にはお金の支払いがあるわけではありませんが、不動産や有価証券など保有している資産の時価が取得価額よりも値下がりし、含み損が出ている場合に、資産評価損として特別消費に計上する場合があります。これを計上することによって、家庭の財産状態をより正しく認識することが可能となります。


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posted by 依田宣夫 at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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